松尾芭蕉と曽良

東北一人暮らし   

                 =奥の細道追っかけ記=          
福島駅、芭蕉曾良像
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=松尾芭蕉・曽良コンビ=

松尾芭蕉と曽良.。「奥の細道」はこの二人の旅です。

曽良さんはをこの旅で芭蕉さんをいったいどんな風にサポートしていたのでしょう?



曽良さんてどんな人?  

松尾芭蕉さんと奥の細道に欠かせないのは曽良さんという存在でしょう。

江戸深川から芭蕉さんのおともをしてきた曽良さん。道中、山中温泉で腹痛の為リタイヤしてしまうまで二人で歩んだのは131日間という長い日々でした。芭蕉さんをサポートし続けた曽良さんとはいったいどんな人だったのでしょう。

曽良さんは深川芭蕉庵の近くに住んでいて芭蕉さんのお気に入りのお弟子さんだったようです。
江戸にいるころから芭蕉さんの身の回りの世話もしていたようでした。

曽良さんは誠実で几帳面だったようで、この「奥の細道」の旅における芭蕉さんの秘書的役割を見事にこなしています。

芸能界でいえば、タレントさんについているマネージャーのようなものでしょうか。
そのうえ諸経費の管理もしていたとか。

また国学や神道、さらには地理学も学んでいたこともあり、訪問予定地の神社仏閣、 歌枕の地などの知識も身につけていていたということです。
それらの知識により、旅に出る前に「備忘録」として旅の下調べをしたメモが作られていました。



曽良さんの日記

曽良さんは芭蕉さん身の回りのお世話をするだけのおともではなく「奥の細道」を旅する為の非常に重要なナビゲーターでもあったのです。
そして最も貴重なのは、曽良さんの「備忘録」のあとに書き綴られた旅日記です。

「奥の細道」本文は単なる紀行文とはやや趣きが違っているようです。芭蕉さんの思惑でしょうか、物語をスムーズに進めるために日にちが前後しているところがあったり、現実にあったことをやや飛躍させるフィクションが書かれていたりしています。

芭蕉さんたちの旅のノンフィクションが書かれているのがこの曽良さんの綴っていた旅日記「奥の細道随行日記」(曽良さんはとくに題名を付けていなかったようです)と呼ばれる手控えです。(なんとこの書き物が見つかったのは昭和18年という最近のこと)

この日記により芭蕉さんと曽良さんの道中の詳細がわかり正確な足取りもわかってきました。
何といっても、江戸深川をスタートした初日の日付から違っているのです。

芭蕉さんは本文に3月27日出発とかきだしてしているのですが、曽良さんの日記には3月20日に旅立ったと記しているのです。

これは芭蕉さんに何か意図があったのか単なる書き間違いかは定かではありません。

また、行った場所の日にちを意図的に入れ替えて文章の流れのつじつまを合わせているところなどもわかってきました。

この「奥の細道随行日記」は曽良さんの几帳面な性格がもたらした「奥の細道」のガイドブックですね。

このように曽良さんなくしては「奥の細道」もありえなかったといっても過言ではないでしょう。
これほどまでに優れた秘書を伴って旅していた芭蕉さんなんと果報者なんでしょう。
何か大きい仕事をする人には必ずこんな陰の力持ちがいるもんです。



芭蕉さんと曽良さんの別れ

途中残念ながら曽良さんは山中温泉でリタイアしてしまいました。

その後、この「奥の細道」終焉の地大垣に芭蕉さんは無事到着。知人、友人が出迎えにきてくれました。
そしてその中には元気になっていた曽良さんの姿もあり二人は再会したのです。

元禄7年(1694年)5月に芭蕉さんが伊賀上野に帰郷した時も、曽良さんは箱根まで 芭蕉さんを見送りました。
そしてこれが二人の旅の最期の旅となったのです。

「奥の細道」へと二人が江戸を旅立った元禄2年から5年後、松尾芭蕉、元禄7年(1694年)没、51歳。
そして河合曽良、その16年後、宝永7年(1710年)没、62歳。

芭蕉さんと曽良さん。今でもきっと「奥の細道」を旅する人々を、みちのくの空からやさしく見守ってくれていることでしょう。


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